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「こんなことで……」と悩みを抱えてしまわずに、どんなことでも相談しに来てください。
お子さま、特に生まれたばかりの赤ちゃんは話すことができません。ですから、親御さまの訴えに耳を傾け、「敷居の低いクリニック」をモットーに、どんなことでも話していただける雰囲気づくりを心がけています。
医師を目指したきっかけと小児科を専門にした理由を教えてください。
医師になろうと思ったきっかけは、中学校3年生のときに高校受験の2週間前まで肺炎で入院していて、そのとき治療にあたってくれた先生に感銘を受けたからです。受験に間に合わないかもしれないという差し迫った気持ちの私に、「肺炎の状態もよくなっているし、血液のデータもよくなっている」と分かりやすく説明をしてくれて、その上で、「あとは気合いだ!」言われました。
すると、そこからどんどん体調が改善していったのです。体が十分に回復していることを理論的に把握した上で、「そうか、気合いか」と思えたことがよかったのでしょう。先生の人柄と信頼関係があってのことだと、今なら分かります。ただ、中学生の私にとってその体験は衝撃的で、そういう先生に出会えたことで、医師の道を志すようになりました。
小児科を専門にした理由は、先輩が小児科の医局にいたからというものでした。「フォローしてあげるよ」という言葉通り、先輩方がきちんと面倒をみてくれましたが、「小児科がこんなに大変だとは!」と思うこともしばしばありました。それでも続けてきたのは、やはりこの仕事にやりがいがあるからだと思います。
診療のモットーを教えてください。
「赤ちゃんが泣いてばかりいる」「おっぱいをあまり飲んでくれない」「湿疹ができている」など、どんな悩みや心配ごとでも、気兼ねなく相談できるクリニックでありたいと思っています。ですから、「敷居を低く」がモットーです。
「こんなことまで聞いてもいいのかな」「これくらいで行ってもいいのかな」と思って、「悩んだ末に来ました」という方が結構いらっしゃるのですが、そういうとき私は、「悩んでいるならすぐにおいで」とお伝えしています。「そんなことで来たの?」などとは言いませんし、怒ることもないですから、皆さん、気軽に来てください。
診察中に気をつけていることは何ですか?
一つは、子どもは泣くのが仕事ですから、泣くときは泣かせてあげます。ですから、親御さまには、「泣いてすみません」と思わなくていいということをお伝えしたいです。
そしてもう一つは、子どもは自分の症状を大人のようには話せないということ。特に赤ちゃんは言葉を話せません。ですから、症状を聞くのは主に親御さんからになりますが、でも子どもというのは、相手が自分のほうを向いているかどうかは分かっているんですね。ですから、赤ちゃんであっても目を合わせて話しかけています。
そして、実際の治療は、子どもをよく診て得た所見と親御さまからの情報をあわせて診断していきます。説明に関しても、親御さまが子どものよりよいケアをできることが大切ですから、親御さまへ向けて分かりやすく説明しています。
院内でこだわっているところを教えてください。
ご年配の方や車いすの患者さまも来院していただけるようにバリアフリーにし、さらに待合室を広くするなど、動線を考えた間取りになっています。また、クリニックの入り口にはドアを設置していないので、エレベーターから直接院内に入っていただけます。
乳幼児をお連れの方もたくさん来院されるため、落ち着いて授乳していただけるように鍵のかかる授乳室をご用意しました。また、お子さまの予防接種でいらっしゃった際はベビーベッドのある予防接種専用の待合室でお待ちいただくなど、院内感染の予防にも努めています。
貴院のスタッフの自慢できる点を教えてください。
スタッフは皆、患者さまに対して親切でフレンドリーな対応をしてくれています。体調が悪いときというのは、不安だったり、つらさを感じていたりするものですが、そのようなときに素っ気ない対応をされると、余計に気分が沈みかねません。ですから、温かい対応はなにより大事だと思っていますし、スタッフにもそのように伝えています。
実際、患者さまと接する時間は医者よりもスタッフのほうが長いですから、スタッフの人柄が医院のイメージをつくるといっても過言ではないんです。そのため、とにかくスタッフは人柄を重視して採用しています。さらに、先輩スタッフが新しく入ってきたスタッフに「こういう風にしたらいいよ」と対応の仕方を丁寧に指導してくれていますので、医院全体に明るく温かい雰囲気が保たれているのだと思います。